ゴム工業会からのお知らせ
「品質管理体制強化に向けたガイドライン」の策定について
当会では、昨今の品質管理に対する不適切な事案が頻発していることを踏まえ、会員各社の自主的な創意工夫により、適切な品質管理体制の構築に取り組み、企業価値の向上を図ることを趣旨として「一般社団法人日本ゴム工業会 品質管理体制強化に向けたガイドライン」を策定しました。
品質管理体制強化に向けたガイドライン
我々製造業にとって、優れた品質を守り、製品を供給することは、最重要の課題である。
会員各社は、優れた品質の製品を供給するために、最適な品質管理体制並びに品質保証体制の維持、強化に取り組むこととし、参考として本ガイドラインを策定する。
1.法令遵守及び品質管理体制の構築
(1)それぞれの製品、工程、サプライチェーンなど自社の状況を踏まえた適切な品質管理体制の構築に取り組む。
(2)全従業員に対して法令、契約、ルールの遵守を徹底し、品質管理に対する意識の向上に取り組む。
2.品質管理体制の構築、強化のための措置
独立した品質管理体制の構築について、以下を参考に検討する。
(1)品質管理担当の役員を明確にし、生産部門と独立した組織として、品質管理部門もしくは品質監理責任者(以下、品質管理部門という)を設置する。
(2)品質管理部門は、定期的に品質管理に関する検査データ等を閲覧し、結果を役員へ報告する仕組みとする。
(3)品質管理に関して不適切な事例を把握した場合は、直ちに適切な対応を取る仕組みとする。
(4)現場と経営層で品質管理に関する課題を共有し、今後の改善に向けた取り組みを推進するための会議体を設置する。
3.品質管理に関する検査の実施、データの管理について
(1)検査データは、製品や検査段階ごとに期間を定め、システムとして自動的に記録される仕組みを検討する。
(2)手動・人手の介在が含まれる検査の実施やデータの管理については、以下に着目した対応を行う。
- 検査要員に対する品質管理教育の実施。
- 検査指示は、生産部門と独立した組織もしくはそれに準ずる部署から実施する。
- 検査内容と検査指示が合致していることを確認する。
(3)検査が確実に実施されていることを確認することが望ましい。確認手段として、抜き打ち的に実施状況をフォローすることは有効な手段となり得る。
(4)顧客と双方の利益のもと、品質データの共有化等について検討する。
4.品質管理体制の維持と見直し
以下を参考に、定期的に品質管理体制の確認等を行う仕組みを構築する。
(1)認証制度(ISO9001、JIS指定工場の取得等)を活用し、品質管理体制について適切に維持されているのかについて、定期的に内部監査等を行う。
(2)品質管理に対して、全社QC大会など、社内で共有する仕組みを構築し、優良な事例のほか不適切な例についても情報共有し、品質管理体制の改善・強化の参考とする。
5.品質管理教育の実施
外部の講習会の活用を含め、社内における品質管理教育の充実ならびにレベルアップを図る。
6.工業会としての取組
会員企業の品質管理の向上に資するため、適宜会員会社における品質管理に関する取り組み事例(不適切な事例が発生した場合の対応事例を含む)を収集し、会員企業と共有する。
7.本ガイドラインの改廃は、当会理事会が行う。また、6.に掲げる取り組み事例の収集、共有等は、企画委員会が行う。
以上
2018(平30)年3月6日制定
一般社団法人日本ゴム工業会